短歌の目 7月 空飛ぶことを放棄している
今月もよろしくお願いいたします!
7月題詠 5首
1. 透
かき氷食べ進めるほど透き通りもうじきわたしは南極になる
2. ホイップ
ホイップを添えたシフォンケーキみたい予定調和に抱かれている午後
3. 果
皮を剥くあなたの指が規定する桃はエロスの果実であると
4. ペンギン
ペンギンを指さし笑う君もまた空飛ぶことを放棄している
5. 短夜
短夜を切り裂く花火刹那とはこういうことかと君の目を見る
テーマ詠「あつい」
広辞苑枕にうたた寝するひとの歴史の厚みを少し知ってる
クーラーを効かせた部屋で淹れたてのコーヒーを飲むずるさを覚えた
「暑いね」と言えば「暑い」と返すしかなくて陽炎揺れる道端