フィルムズ
フィルム写真を始めてしまった。
元々興味はあり、実家から祖父のお古のカメラを譲り受けては撮っていた。しかし、なぜかいつも最後のフィルム巻き戻しの際にフィルム巻き戻しボタンを押し忘れ、そのままクランクを回してはフィルムをぶっちぎってしまうというもったいないにもほどがある行為を続けていた。
雑なわたしにフィルムは難しいのかもしれない、でもやっぱり興味はあるという状態を数年続けていた。わたしにはしばしば(しょっちゅう)やりたいことへの興味関心が振り切れることがあり、去年12月にまたフィルムカメラへの興味が高まってしまった。実家に母が使っていた簡単なフィルムカメラがあったはず、と思い出して行ってみたところ、母が使っていたキヤノン オートボーイSⅡを見つけた。カメラ好きだった祖父が母に買ってきたものである。これならAFにオート巻き戻しだ、何とかなるかもしれない。そう思いフィルムを装填してみた。
結果、何とかなった。懸念していた巻き戻しも自動で行われ、写真を撮ることが楽しくなり、持ち歩いてはスナップを撮り続けた。フィルムを4本撮ったところで郵送で現像に出した。テストにしてはずいぶん撮っている。わたしが小さい頃、祖父は近所の個人経営のコンビニへ現像に出していたのに、今や郵送である。昔は街の至る所に同時プリントの幟があった気がするんだけどな。
そんなことを思いながら数日後、ネガとスキャンデータの入ったCD-R、そしてインデックスプリントが帰ってきた。ちみちみと並んだインデックスプリントを見て、思わず声を上げてしまった。
写真が撮れている。それもフィルムで。
それだけではない。フィルム独特の質感や色味、デジタルとはまた違う光と影の捉え方に心を掴まれてしまった。これは楽しい趣味かもしれないぞ、なにしろ満足感がすごい。デジタルの時と同じように自己満足のスナップ写真なんだけど、データを見返してはにやにやしてしまう。亡き祖父もこんな気持ちで写真を撮っていたんだろうか。
フィルム:Kodak ultramax400
フィルム:FUJICOLOR100
フィルム:FUJICOLOR SUPERIA PREMIUM 400
フィルム:Kodak ColorPlus 200
デジタル一眼もハイエンドコンデジも持ってるけど、フィルムはフィルムでまた違った良さがある。使い分けながら楽しく撮っていけたら、自分が残したいものを残していけたら。