さらさら録

日々のさらさらの記録

もしもし、じかんですか

油断すると週報が書けなくなる。よくないね。というのも、原因不明の疲労感に悩まされているのである。動けないわけではないけど、寝ても寝てもだるい。一日7時間寝るようにしているけど、それでもたまに休日におうち入院を決め込まないと動けない。

そうこうしているうちに左耳がなんとなく痛くなってきた。あまり耳が強くない自覚はあるので緊張感を持って注視していたところ、耳が詰まる感じまでしてきたため耳鼻科への受診を決めた。しかし今住んでいるところは耳鼻科空白地帯なのである。駅前に一応一軒あるものの耳にする評判はすこぶる悪く、Googleレビューまで散々たる書き込みだらけだからなのか、検索にも引っかからない有様という地域なのである。それでも諦めず調べたところ、数駅行ったところの高級住宅街に良さそうな耳鼻科があることを知った。しかもWeb予約ができるのである。これ幸いと予約して行ってみることにした。

団地の一角にあるその耳鼻科は明るく、暖色系の内装で統一されていた。待合室で流れていた朝の情報番組を見るともなく見ながら待つ。「きのうのビッグボス」なるコーナーで新庄監督をフィーチャーしていてびっくりしたり、お笑いコンビ錦鯉のまさのりさんの挨拶が「こんにちは」ではなく「こんにちわ」であることを発見したりしていた。日頃「こんにちわ」と書いてしまう夫に、「錦鯉の……バカの方もこんにちわって書いてたよ」と報告したら、しばしの間ののち「バカって言うな!」と言われてしまった。そうこうしているうちに順番が来た。

医師は穏やかそうな男性だった。明るく挨拶をしてくれ、てきぱきと診察を進めてくれる。風邪の引きはじめに耳が痛くなるんですけど、と伝えたものの診察では風邪の兆候は見られなかった。看護師さんのお腹が鳴り響く中で聴力検査をしたものの異常はなく、ただ鼓膜の動きを見るティンパノメトリーがガタガタになっているとのことで耳管の動きが悪いのでは、おそらくゆるんでいるのでは、という見立てになった。じかん、ですか。その言葉を聞いた瞬間、蘇ってきた記憶があった。昔、同じく耳管の動きが悪いと言われ、耳鼻科に通っていたことを。そこでは鼻の奥から耳管に管を突っ込まれ、そこから空気を通す通気というとても痛い処置をされていたことを。思わずその通気の気配を察知してビクッとなったものの、「漢方を出したので薬局で受け取ってくださいね」とのことで処置はなしだった。鼻の下がべしゃべしゃになるネブライザーもなかった。

出された漢方の説明書には「体力を底上げし、元気を出す薬です」という主旨のことが書かれていた。初めて行った耳鼻科で元気を出す薬を出されてしまうとは、そんなに疲れて見えたんだろうか。そしてこの薬を飲み続けても改善せず、通気の気配に怯えながらまた通うことになるのであった。

(c)2015 nagisarasa All Rights Reserved.