さらさら録

日々のさらさらの記録

ブログのURLがバウムクーヘンな理由

今日3月4日はバウムクーヘンの日、らしい。
なので、このブログのURLがなんでbaumkuchen.hatenablog.jpなのかを書こうと思う。

https://instagram.com/p/zzNEc8GDhu/

勘のいい人なら気づいてるかもしれない。
フジファブリックの『バウムクーヘン』という曲からいただいている。
アルバム『CHRONICLE』の1曲目を飾るこのナンバーに、泣くことすら許されないほど強く心を揺さぶられた。軽快なキーボードにギターが絡んでいくイントロからいきなり「何をいったいどうしてなんだろう すべてなんだか噛み合わない 誰か僕の心の中を見て 見て 見て 見て」と始まるのだ。

バウムクーヘン フジファブリック - 歌詞タイム

僕は結局優しくなんか無い 
人を振り回してばかり
愛想をつかさず 僕を見ていてよ

言葉では伝えられない 僕の心は臆病だな
怖いのは否定される事 僕の心は臆病だな

わたしのことだ、真っ先にそう思った。
たぶん、『バウムクーヘン』に歌われた感情は、個人的な内面の吐露にも関わらず、多かれ少なかれ誰の心にもある普遍的なものだろう。個人的な感情でありながら、どこを切り取ってもまるで自分のことのように思える詞と、ギターロックでありながらポップで少し奇妙なキーボードが跳ね回るサウンド、そして優しい声に誘われるように何度も何度も繰り返し1曲リピートで聴いた。
それが、この曲のタイトルをURLにした理由のひとつ。

そして、この曲が『バウムクーヘン』というタイトルになった理由がそのままURLにした理由のひとつだ。これに関しては、フジファブリックのフロントマンであった志村正彦のインタビューを引用したい。
New Audiogram : PREMIUM : フジファブリック

1曲目に「バウムクーヘン」っていう曲があるんですけど、バウムクーヘンは1個の丸太が最初からあるわけじゃなくて、ゼロからどんどん重ねていって、大きな丸い輪になるじゃないですか。僕という人間も0歳から始まって28歳になって、ようやくバウムクーヘンみたいな大きさになったんですよね。人生にはいろんなターニングポイントがあると思うんですけど、その要所要所にはいろんな味がつまってて。28年間生きてきたなかで、いろんな人と出会って、別れて、なんでもない日もあれば、なにかが起きた日もあった。いろんな日があって、28歳の今日、そして、リリース日の5月20日にもつながっていくアルバムなんじゃないかなと思ってて。

わたしという人間がゼロからここまで年輪を重ねて生きてきてそれが今につながって、ここでこうしてブログを書いている。今まで重ねてきたバウムクーヘンに言葉を刻んでいこう、そしてこれからも重なっていくように、という想いをURLに残したのだ。
なので、このブログにお菓子のバウムクーヘンの話はほとんど出てこない。今までも、これからも。
あ、冒頭の写真はユーハイムバウムクーヘンだった。

CHRONICLE(DVD付)

CHRONICLE(DVD付)

このアルバムは全編志村正彦が作詞作曲を行いアレンジもほぼ行っている。彼は先のインタビューにある通り「ノンフィクションの歌詞を書こう」としてこのアルバムを作った。このアルバムが心をえぐるのはその点からも来ているのだろう。正直に吐露された内面は決して綺麗でも軽くもないものであり、リリースした年のクリスマスイブに彼が急逝したこともあってわたしはしばらく『CHRONICLE』を聴けなくなった。
今では音楽が聴けるレベルの抑うつに襲われたときによく聴いている。心をえぐられる反面、「自分だけじゃないんだ」と思える。そして、…と書こうとしてやめておく。志村のことは、今日は心に留めておこう。

『CHRONICLE』、そして『バウムクーヘン』は、わたしの中で好き嫌いを超えた特別な位置付けにある。
お菓子のバウムクーヘンは、わたしにとっては、結婚式の引き菓子のような長寿と繁栄のシンボルではなく、今まで出会い別れた人たちや感じた感情や得たもの失ったものやここまで生きてきたことの象徴なのだ。

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