さらさら録

日々のさらさらの記録

夜に降る雨を愛する

夜に降る雨が好きだ。夜に降る雨は、昼間暖まりすぎた地面を冷ます。雨音の中でタオルケットにくるまっていると、遠い昔、まだ精子卵子ですらなかった頃に戻る気がする。夜の雨は優しい。誰の上にでも等しく降るという理由でわたしは雨を愛するのだけど、その中でも夜の雨をひときわ愛している。音が思考を誘い/閉ざし、誰であろうと何であろうと、病めるものも健やかなるものも同じく包み込んで水を与える。涙は雨に溶けてどこかへ流れていく。嘘臭く明るい朝の存在を忘れさせてくれる。わたしは今夜、心おきなくタオルケットにくるまり涙を流しながら睡魔を待つだろう。名古屋は強い雨。
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