さらさら録

日々のさらさらの記録

短歌の目 第13回・11月 キットカットの箱の裏側

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題詠5首

1. 本

 頬杖をついて本を読む君の視線に僕はなかった秋

2. 手袋

 道端に片方落ちてる手袋はさぞ寒かろう手をなくして

3. みぞれ

 みぞれ降る街で別れたあの人も同じようにグレーに溶ける

4. 狐(きつね、キツネも可)

 あたたかな部屋で啜るきつねうどん曇った眼鏡でお揚げが見えない

5. メリークリスマス

 君だけに伝えたメリークリスマス キットカットの箱の裏側

テーマ詠「酒」

 ほろ苦く甘く広がるスプモーニそれはまるで恋にも似ている

 酔ったふりなんてできるはずもなく可愛くなれない焼酎ロック

 たっぷりと生姜を入れた甘酒を飲ませてくれた祖母と縁側

 はぜていくカシスソーダを見てた夜 退屈なんかしていなかった

 中ジョッキビールを飲み干す勢いで世界の涙も飲み干したいのに

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