短歌の目 第5回:7月 消えゆく人魚も恋も はら はら
6月を詠みっぱなしにしているうちに7月が来て、そのスピードにヒイイッとなっております。tankanome.hateblo.jp
今月もお付き合いくださいませ。
気に入った歌がありましたら引用スター等いただけるとうれしいです。
主宰の卯野さん、いつもありがとうございます!
* ☆ * ☆ *
1.手帳
まっしろな手帳にぺたりとシール貼る なんでもない日よ夜空に歌え
2.花火
藍に散る花火のあはれ泡となり消えゆく人魚も恋も はら はら
3.虫
虫のいい話にも飽きグラス置き男も置いていざ終電へ
4.白
陽の落ちたグラウンドの隅残された白球だけが知ってたひび割れ
5.アイス
コンビニの灯りは誘導灯まるで樹液のようにアイスも舐める
6.プール
子どもらはタオルケットのプールにてクロール25m目指す
7.すず
すずやかに風鈴鳴ってもひとりの夜 あなたは来ない わかってる 「りん」*1
8.アンタレス
アンタレス映した瞳に射抜かれて毒が爆ぜてく星の裏側
9. 雷
暗闇を切り裂く雷雨の明るさに負けてる君は隣で怯えて
10.【枕詞】ぬばたまの
ぬばたまの今宵の月が見えずとも世界を見ている気がしたグーグル*2
* ☆ * ☆ *
ではでは、またお会いいたしましょう。