さらさら録

日々のさらさらの記録

短歌の目 第5回:7月 消えゆく人魚も恋も はら はら

6月を詠みっぱなしにしているうちに7月が来て、そのスピードにヒイイッとなっております。tankanome.hateblo.jp
今月もお付き合いくださいませ。
気に入った歌がありましたら引用スター等いただけるとうれしいです。
主宰の卯野さん、いつもありがとうございます!

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1.手帳

 まっしろな手帳にぺたりとシール貼る なんでもない日よ夜空に歌え


2.花火

 藍に散る花火のあはれ泡となり消えゆく人魚も恋も はら はら


3.虫

 虫のいい話にも飽きグラス置き男も置いていざ終電へ


4.白

 陽の落ちたグラウンドの隅残された白球だけが知ってたひび割れ


5.アイス

 コンビニの灯りは誘導灯まるで樹液のようにアイスも舐める


6.プール

 子どもらはタオルケットのプールにてクロール25m目指す


7.すず

 すずやかに風鈴鳴ってもひとりの夜 あなたは来ない わかってる 「りん」*1


8.アンタレス

 アンタレス映した瞳に射抜かれて毒が爆ぜてく星の裏側


9. 雷

 暗闇を切り裂く雷雨の明るさに負けてる君は隣で怯えて


10.【枕詞】ぬばたまの

 ぬばたまの今宵の月が見えずとも世界を見ている気がしたグーグル*2


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ではでは、またお会いいたしましょう。

*1:万葉集巻四・四八八番 額田王 君待登 吾戀居者 我屋戸之 簾動之 秋風吹< 君待つと我が恋ひをれば我が宿の簾動かし秋の風吹く> 万葉仮名表記は塙書房刊『補訂版万葉集本文篇』より

*2:今宵、月が見えずとも - ポルノグラフィティ - 歌詞 : 歌ネット youtu.be

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