顔文字は突然に
いつものように、パソコンに取り込んだ図面データに向かって作業していたときのことである。
目が疲れたのでパソコンから目線を外して目薬を点し、ついでに右側定位置のマグカップからコーヒーを一口二口含み、またパソコンに目線を戻したとき、不意に目が合った。
"A"
「あー目がしょぼしょぼするー」と目薬を点した、さっきまでのわたしの表情そのものではないか。横に←- -→という飾りがついているけど。
顔文字に見えるくらいしょぼしょぼしてるのかな、と図面を拡大する途中でまた目が合った。
"B"
目がしょぼしょぼして口を尖らせてふてくされてるみたいな人と目が合って、慌てて目を逸らした。ヤバい、また出会ってしまった。このままでは数字さえも顔文字に見え始めかねない。
席を立ってお手洗いでコンタクトを洗って戻ったら、さっきまでそこにいた人たちは消えていた。見えてたら困るのに、いなくなるとそれはそれで寂しいものだった。
("A")
これは目がしょぼしょぼしてる顔文字として採用していこうかと思う所存。