さらさら録

日々のさらさらの記録

週報 21.09.19-09.25 おしゃべり、ストウブ、狩歌

09.19

スーパーに買い物に行こうとしたら自転車の鍵がない。自転車を買って3週間でもうなくすとは!仕方がないのでもう1台の自転車に乗っていく。何しろ先日もなくしものをしたばかりである。いくらADHDゆえのなくしもの癖に慣れているとしても、短期間に2回も大切なものをなくしたらへこむ。発達障害は特性が凸凹な障害と言われるけど、これでは特性も気持ちも凹である。オール凹である。へこみながら買い物を終え、帰ってから探してみたところ、レインポンチョのポケットから発見された。よかったね、ほんとよかった。気持ちが凹からフラットに回復した。

午後、千葉の友人とオンラインスイーツ会。彼女としばしばやっている会で、同じスイーツを取り寄せ、それを食べながらおしゃべりして過ごすというものである。今回は楽天スーパーセールで買ったロシアケーキをお供に、お互いの近況から自動車免許を取ったときの話、面白かったボードゲームまでしゃべりにしゃべって6時間が経過していた。映画(それもわたしが勧めた3時間の『ドライブ・マイ・カー』である)を観終え買い物を終えた夫が帰ってきてからもまだしゃべっていた。楽しい。人と話すことが全然ない毎日の中で、こうしてだらだらとどうてもいい話やどうでもよくない話をできる楽しさ。対面でそれができない寂しさはあるけど、オンラインでいつでも会えるっていうのは一つの新しい選択肢なんだろうな。新しい選択肢を受け入れてはいるけれど、それでも自分を規制し続けることを選び続ける日々は楽じゃないと思う。

それにしても、Twitterで彼女と知り合ってからの時間を思ってしみじみする。だいたい10年くらいかな、高校生だった彼女は大学を卒業して社会人になり、鬱に苦しみながら働いていたわたしはその後数社の転職を経て短歌を始めて結婚した。長く誰かの人生を見続けること、SNSがなければ知り合えなかったひとと長く友人でいられること。その不思議さがおもしろく愛おしい。

夜はまたもストウブを使って無水キーマカレー。スイーツ会の前に野菜をみじん切りにしておいたので、それを炒めて煮てルウを入れるだけ。野菜の甘みとコクにびっくりする。こんなにおいしくなるなんて。ストウブ購入へ気持ちが傾いている。

 

09.20

祝日。なんだかだるく胸のあたりが落ち着かないので午前中寝て過ごす。基本的によく寝る人間なので休日は寝て過ごしがちである。これが寝れなくなったら躁状態の傾向なので、寝られているのはいいことなのかもしれない。鬱傾向ということなのかもしれないけど。持続性気分障害から双極性障害に病気が変わってから半年、まあまあフラットな状態を保ててはいるけど、時々持続性気分障害のころにもあった不安発作のような胸のざわざわ感がある。このざわざわ感ともずっと付き合っていかなきゃいけないんだろうな、なにしろ中学の頃からの付き合いだ。胸がざわざわしたとき、寝られるならば寝るに限る。

 

09.22

休み。だいたい休みの午前中は寝ている。この日も本を読んだあと寝ていた。読んだのは三田三郎さんの『鬼と踊る』。生活の描写のなかに含まれるおかしさが楽しく、そして「わかる」という感覚とはまた違った感覚で自分のなかに落ちていく。そして野球ネタも多く、楽しい歌集だった。

冷蔵庫の裏のホコリは見えないし見えないものは存在しない

午後はショッピングモールまで自転車で行く。本とアイブロウペンシルを買う。エテュセのブロウライナーのアッシュグレーが黒髪にぴったりの色合いでとてもいい。髪から浮かず馴染むし、存在感と抜け感が両立している。眉を描くのがいまいち下手くそなんだけど、このペンシルでざざっと描いて後ろのブラシでぼかすといい感じになる、気がする。

夜はストウブで鶏とキャベツの塩煮込みを作る。大橋由香さんのYouTubeに載っていたもので、途中味見をしたら非常にしょっぱくて失敗を覚悟した。しかしそこはストウブ、野菜から出た水分でちょうどいい塩分になり、鶏もしっとりと仕上がっていたのだった。おいしかった。

 

09.22

仕事。先日うっかり履いて帰ってきてしまったクロックスのバレエシューズで出社し、会社に置いてきてしまったスニーカーで帰ってくる。みっちみちにやることが詰まっていたにも関わらずやる気が上がらず苦労する。わたしはわたしの気持ちややる気にいつも苦労しているのだ。

だんだんやる気が上がってきたのでみちみちの仕事をもりもりこなす。定時の1時間前にボリューミィかつ細かい仕事が入り、どうにか終わらせて帰る。頭が完全に仕事モードのまま切り換わらなかったので、少し歩いてショッピングモールへ寄り道して「狩歌」というカードゲームを買って帰る。この前オンラインスイーツ会で教えてもらったのだ。夫と遊ぶツールはいろいろあった方が楽しい。

 

09.23

休み。なんとこの日は朝寝をせず、ドラッグストアへ買い物へ行き、オートミールクッキーなどを焼いていた。我が家のオーブンレンジはレシピ通りに焼くと焦げる。今回は5分早く取り出すことでやや焦げ程度に被害を留めることに成功した。

さっそく昨日買ってきた狩歌で遊ぶ。狩歌は一種のかるたで、歌を流してその歌詞に出た言葉の札を取っていくというもの。これがおもしろくて何戦もしてしまい、夫はSpotifyに使った曲のプレイリストを作っていた。そしてけっこう似た言葉が使われているものである。それでいてちゃんとそれぞれの曲になっているんだから楽しい。全然札を取れない曲を選んでしまうと、ただ曲を清聴するだけの会が突如開かれたりもする。あまりに楽しいので拡張パックも買うことにする。

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わたしも夫も休みの日ほど料理をしたくなくなるので、夜は適当に買い置きのマルタイラーメンにありものの野菜と豚肉で作ったあんを合わせてあんかけラーメンにした。キャベツの残りが少なくなっていたので全部入れたら思いのほか多くて、バカのあんかけラーメンだという感想を持った。

 

09.24

仕事。飛び石連休なので休みを取っている人が多く、そういう日に限って一人ではどうにもならない案件が多発してしまう。そして月曜はわたしが休みなのである。一応ちゃんとパスは投げてきたし大丈夫だろう、と思いたい。昼15時くらいから立て続けに仕事が入り、17時過ぎになってずっとペンディングになっていた申請の添付書類が届いたので慌てて申請を切る。終わりがけがばたばたしてしまうとなかなか頭が切り換わらない気がする。

昨日の時点で「夜はストウブとカット白菜で鶏と白菜のクリーム煮にしよう、このシチューのレシピを参考にして作ろう」と言っていたんだけど、ATM渋滞につかまって帰ってきたら夫はじゃがいもとにんじんを切っていた。クリーム煮ではなく、レシピ通りにシチューを作るつもりだったらしい。夫は料理のアレンジができないし、わたしはどうアレンジするのかをもっと具体的に言っておくべきだった。結局シチューにしたんだけど、これがまた絶品だったのでまぁいいかという気持ちになった。まぁいいか、と思えることが増えてきてから、いろんなことに折り合いをつけて生きていくということを覚えた。

 

09.25

朝から街へ繰り出す。ウィンドウショッピングしたいという気持ちを抑えて欲しいものだけをざかざかと買う。ヨドバシで狩歌の拡張パックとパラダイムシフト版を買い、フェリエ眉シェーバーを買い、化粧品店で夫のスキンケアを買い、三越モロゾフかぼちゃプリンを買った。プリンの日だと聞いたのでプリンを買ったんだけど、何のことはない、毎月25日はプリンの日ということであった。ずっと食べたかったからいいんだ。

帰宅してさっそく眉を整える。眉の長さをカットするのが致命的に苦手なんだけど、このフェリエ眉シェーバーの眉アタッチメントを使うときれいに長さを整えられる。いい買い物をした。ついでに野生に任せて伸びている夫の眉も整える。人の眉を整えるのは緊張するけど楽しい。

午後から狩歌をプレイする。パラダイムシフト版は活用形で取っていけるというもので、これがめちゃくちゃ頭を使う。頭を使うけどおもしろい。夫とわたしとで選曲が全然違うのもいい。なにしろ聴く音楽の系統がまったくばらばらなのだ。それにしても、短期間のうちに狩歌にどっぷりとハマってしまった。人と集まってプレイできたら最高だろうな。

夜は野球を観る。ジャリエルに援護をあげてほしかった……。

週報 21.09.12-09.18 復活、激痛、カムイ

突然、週報を復活させた。このままでは毎日がただ流れていき、そしてわたしも文章が書けなくなるような気がしたのだ。わざわざ夫のノートパソコンを広げて構えて書こうとしなくても、もっと気軽に書いたっていい。そんな風に思い、スマホで文章を書けるようBluetoothキーボードを買った。携帯ショップで1円だったスマホをディスプレイにして、ポメラのようにして書こう。この週報はそうして書かれている。


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09.12

前日夜の大谷使用詠歌会のあとでお風呂も入らず寝てしまったこともあり、目玉焼きトーストを食べてシャワーを浴びる。大谷使用詠歌会とはその名の通り(?)大谷翔平を詠み込んだ歌会である。キクハラシヨウゴさん主催の野球歌会には夫婦で欠かさず参加しており、この大谷使用詠歌会も楽しみに参加した。迷いがあるままの歌を歌会に出すと、だいたいちゃんとその箇所を指摘されるのでおもしろい。

シャワーのあと少し眠り、起きたら昼だった。ナポリタンを作って食べ、サンドラ(サンデードラゴンズ。名古屋のドラゴンズ応援番組)からのアタック25という黄金リレーを決める。アタック25は大学時代にクイズ研究会だったという夫と同居しはじめてから観る習慣がついたのだけど、この秋で終了との報道があったこともあり、残り何回観られるだろうかと考えながらクイズに答えている。夫婦大会に出られたらよかったな。

夫がZOOMをしている間、隣の部屋で友人にメールを書いたりうたた寝をして過ごす。今夜はお好み焼きにするべしとの天啓を得る。ZOOM終了後、二人ともおなかがすいたのでコンビニでおやつを買う。

ラブライブ!スーパースター!を観てからお好み焼きを焼き、野球を観る。まさかまさかの4点差を逆転しての勝利であった。

 

09.13

夜中、右の肋骨あたりの激痛で目覚める。最初は胃かと思い胃腸薬を飲むも収まらない。あまりに痛くて寝れないまま時間が経ち、たまらず夫を起こす。実は去年にも似たようなことがあり、そのときは夜中に病院を受診するも肋間神経痛とのことだった。しかし今回は差し込むようにギリギリと痛い。これはもしかしてやばいかもしれない、そういえば昔胆石があるって言われたことがある、それかもしれない。夫に調べてもらったところ、徒歩圏内に夜間救急を受け入れている病院があることがわかり、連絡の上行くことにした。

病院に行ってCTを撮り、おそらく緊急性はないので午前中もう一度診察を受けてくださいとのことだった。外に夫を待たせて診察室に入ると、医師が「ご家族の方も一緒に入ってください」と言ったんだけど、看護師がなぜか「あれご家族じゃないですよね」と言うので食い気味に「夫です!」と言ってしまった。もらった痛み止めを飲み、なんとか寝る。

午前中もう一度診察に行く。血液検査の結果待ちでずいぶん時間がかかってしまった。医師はとても丁寧に説明してくれる人で、触診の結果および血液検査の結果とCTを照合したところ、胆嚢炎の可能性は考えられないこと、あり得るとしたら帯状疱疹もしくは肋間神経痛とのことだった。また肋間神経痛なのか。夜中起きるほどの激痛を引き起こす肋間神経痛とは。

この日はたまたま休みだったので、お昼を食べてドラッグストアで買い物をして、帰って昼寝をした。起きてから夕食を作る。おいしくて満足。BS1で野球中継がある日はいい日。

 

09.14

仕事。オーーーーーーーンとなるようなことが発生し、メンタルがぷるぷるの状態で仕事をする。そこへさらにオーーーーーーーーーーーンとなるようなことが発生し、ぷるぷるぷるぷるになってしまった。どうにか働いて帰る。帰り道でみたらし団子を買う。観ていないけど、先日のケンミンショーで名古屋のみたらしには焦げ目がついていると話題になったらしく、名古屋のみたらしを知らない夫に食べてもらおうと買ったのだ。夫は山形出身で、暮らしの中にちょっとした異文化交流がしばしば起こりがちである。そしてそれがとても楽しい。知らないことを知る楽しさと、夫のバックボーンを知る楽しさと。

帰ったらうれしい絵はがきと本が届いていた。立花開さんとキムラトモミさんのポストカードブックを開くと、短歌と絵がうっとりするような世界を織りなしていた。手触りもとてもよくて、ずっと開いては眺めていたいくらい。このポストカードで誰かに手紙を書きたいな。

夕食のあと、野球を観ながらみたらし団子を食べる。とてもおいしい。野球はここに来て5連勝、京田くんが立浪解説員に「どうしちゃったんでしょうね」と言われるくらい打っていて観てて気持ちがいい。

水曜日くらいの疲労感に襲われ、早めに寝た。

 

09.15

腰が痛い。昨年発症した腰椎椎間板ヘルニアが痛んでいる。仕事中にふと昔勤めていた会社で教えてもらった評判のいい整体を思い出し、調べてみると家からそう遠くないことがわかった。仕事帰りに寄ることにする。

寄ってみた整体はボキボキ系のところで、つまりわたしもかなりボキボキされたのであった。わかっていてもかなりビビる。左足と右腕を二人で持って引っ張られたときには「!?!?!?!?!?!!!!?????」みたいになってしまった。しかし整体を受ける前と受けた後とで腰の痛みが全然違う。それになによりおしりが柔らかいのだ。それだけ筋肉が張っていたのを緩めてもらったんだろう。何かにつけてすぐ身体が張りやすいタイプの人間である。

 

09.16

整体の効果か、腰は痛むことなく快調である。朝、家を出る直前になくしものをしたことに気づく。物の定位置を決められないため、その辺に適当に置いてはなくすという現象をしばしば発生させてしまうんだけど、それが大切なものであればあるほど当然のことながら落ち込む。落ち込みながら会社に行った。

このところ昼休みに『ゴールデンカムイ』の無料公開を1日1冊ずつ読んでいたんだけど(そして、Twitterのフォロワーさんに「地獄の昼休みを過ごしている」と言われた)、そろそろ無料公開が終わるとのことで夜も読んだ。読み終わった。情緒がめちゃくちゃに乱れてしまった。それにしてもストーリーも登場人物も魅力に溢れてておもしろい。読み返すために、そしてアニメは見ているものの本を読むスピードが遅く、無料公開争奪戦に参加していない夫に読ませるために単行本を揃えるか迷っている。去年、夫の希望で金カムコラボの明治村に行ったんだけど、そのときはまったく金カムを知らない状態だった。なんともったいないことをしたことか!シライシが収監されていた監獄があるってのに!またやってくれないかなぁ。

 

09.17

台風接近で帰りが雨予報だったので、あえて自転車で会社に行く。この前セールで買ったKIUのレインポンチョを試してみたかったのだ。

仕事で久々に会社の人と長時間しゃべり、喉ががっさがさになってしまう。マスクなしで夫としゃべる以外はほとんど会話をしていないため、マスクごしにちょっと長くしゃべるだけでもかなり喉がかさつくことがわかった。

帰りにレインポンチョを着てみたところ、フードが口元まで覆う頭巾みたいなタイプだった。ゴールデンカムイにすっかり影響されているのでフンフン言いながら帰る。ちょっと蒸れるけど全然濡れなかった。いいものを得た。

 

09.18

休み。誕生日プレゼントにストウブを買ってもらおうか悩み、一旦レンタルしてみたものが届く。欲しいなぁと思っていたピコ・ココットではなくブレイザーだけど大丈夫でしょう。お昼はさっそくトマトクリームのワンポットパスタを作る。

午後からON READINGへ。10周年記念の展示である平行書物展を楽しみ、本屋さんでは何冊かの本を買う。ON READINGは選書のセンスがとにかくツボであるだけでなく、お店が広くないため1冊1冊をじっくり見て回れるのもいい。今回もリトルプレスの本などを買ってきた。

そのあと、ON READINGの下にあるカフェmetsaでお茶をする。ここのタルトはとてもおいしい。大好きな本屋に行っておいしいタルトを食べて、いい休日である。

夜はストウブの実力を見るためにカット野菜にキャベツとひらたけを足したものを敷き詰め、その上に豚肉を乗せて少し酒を振り蒸してみた。これがもうとってもおいしい。何もしていないのにおいしい。ほんの少し香り付けにポン酢しょうゆを振ったらごちそうのようにおいしい。ストウブすごいな、丁寧にこだわって料理をしたい人と真逆の人にもフィットするなんて。

孤独もさびしさもそこにいる

星野源が結婚を発表した。そのとき、ネットで「ガッキーと付き合っている人間が孤独を語っていたのかよ」という声を見て、それは違うんじゃないかなぁと思った。孤独やさびしさというものは、どんな恋人や配偶者がいたとしても、別枠で存在するものだと思っているからだ。

パートナーがいるかいないかに関わらず、パートナーがどんな人であるかに関わらず、ひとの心には孤独やさびしさが存在していて、それを引き受けながら日々を過ごすことが生きることだとも思っている。わたしにとって、孤独やさびしさは、古くからそばにいるものだ。交際を始めてから3年ちょっとの夫がはるかに及ばないくらい長い間近くにいて、夫がパートナーになってからもずっとそばにいる。

 

夫と同居を始めて、そして夫と結婚したあとのことだ。今までのようなさびしい気持ちが胸に溢れることがあって、そのときわたしはひどく安心した。結婚したあとも、さびしさを確かに感じられることに。

結婚したときに、わたしは安心して帰ることのできる場所を得たと書いた。夫との関係では恋人時代から不安になることがなく、とても優しく穏やかで、安心という言葉がぴったりだった。それでも、わたしはさびしくなったのだ。ここは帰る場所なのに、それでも自分のことを根無し草だと思ったのだ。

夫と何かあったわけではない。夫は変わらず、ともすれば結婚前よりも優しく、安心した生活をともに送っている。ではなぜなのか、と思われるかもしれない。少し考えてみて、さびしさや孤独のすべてに理由があるわけではないということに思い至った。人間の感情すべて、理由があって起こるものばかりではないのだ。理由のない感情って、とても人間っぽいというか、自分の大事なピースのようなもの。だから、さびしさを感じたとき、わたしはわたしのままだということも一緒に感じて安心したのだろう。

 

寝相の悪い夫が布団を寝袋のように身体に巻きつけ、そして隅で寝ていたわたしにぶつかってくる。わたしは目を覚ます。夫は気づくそぶりもなくぐっすり眠っている。眠りひとつ取ってもこんなに違う夫とわたしなので、それぞれが持つ孤独やさびしさの形や大きさもまた違う。そのことを思うとき、わたしたちはどうしようもなくひとり同士で、そしてふたりなのだとしみじみ感じる。わたしの布団を大きく侵蝕して眠る夫をどうすべきか少し思案して、そのまま寝かせることにする。わたしはわたしで、自分の眠りに入るべく目を閉じる。ひとりの夜をひとりで泳ぎ、それぞれ目覚め、同じ食卓を囲むために。

 

先日、わたしが帰宅後におかまと米が入っていない状態で炊飯器のスイッチを押してしまう事件があった。暑い時期は研いだお米を炊飯器に入れっぱなしにせず冷蔵庫で吸水させているんだけど、それをすっかり忘れていたのだ。お米は後から家を出る夫が用意するので、「炊飯器に貼り紙をしておいて」と言ったらこんなダイニングメッセージが残されていた。

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わたしが野球を観ながらブログを書いている今、夫は隣でSwitchのモンハンをしている。それぞれの感情を持ち、それぞれにしたいことをしながら夜を楽しく過ごしている。

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