さらさら録

日々のさらさらの記録

『リズと青い鳥』を観てきた



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観てきた。目が腫れて、立ち上がれなくて、頭が痛くなるまで泣いた。『響け!ユーフォニアム』の世界観はそのままに、空気感を変えたような雰囲気の映画だった。そして、何で『響け!』の名前を外したのかも、観てよくわかった。

決して派手なことは起こらない、きっと意図的に排除されている。緻密かつ静謐に描かれていく日常を、息を詰めて見守る感覚。決して台詞は多くないのだけど、その分映像と音が雄弁に感情を語る。細かな仕草の一つも見逃さないよう、スクリーンを見つめ続ける。高校生の危うさ、なんて簡単な言葉では片づけられない入り組んだ感情を、この上なく丁寧に掘り下げていた。みぞれと希美、ふたりの感情が濃密に溢れ出していて息ができずただ涙がこぼれた。切ない、と単純に言ってしまっていいのかわからない感情で胸がいっぱいになった。

間違いなく傑作だった、万人向けではない類の傑作。この映画を観られて、幸福だと思った。

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