さらさら録

日々のさらさらの記録

Dを「デー」と呼んだ日

新人君が新人研修で「D」を「デー」って言うタイプの上司の発言をイチイチ..

電話でやり取りしてみないとわかんないだろうな、こういうのは。間違えないようにデーとテーだよ。

2016/04/08 15:21

 実はわたしも似たような経験をしている。第二新卒みたいな形で入った会社は電話で聞いた部品コードや商品コードを元に発注書を切っており(ゼロ年代の話)、ひとつ聞き間違えたらとんでもないものが届くので、当然慎重に聞き返した上で発注書を切り手配していた。発注される方がみな、Dをデーと言いTをテーと言っていることには早々と気づいた。それでもわたしは、半ば意地で「ディーディーエルですね」などと聞き返していた。第二外国語でドイツ語も履修していたとはいえ、そんなダサい言い方はしたくないと思っていたのだ。
 そんなある日、仕事に就いて2週間ほど経ったころだった。発注締め時間まで間がない中、いつものようにアルファベット発音で確認をしていた、「ティーディーダブリュー……」「ごめん、出先だから聞こえない」押し問答をしている間にも時間は過ぎていく。意を決して、遂に言った。「テーデーダブル」「そう、それ!」
 かくして商品は当日出荷に間に合い、わたしはダサい読み方には伝わりやすいという利点があるのだと知った。これは実際にやり取りをしてみないとわからないことだった。その後会社が変わり、FAX注文やメールやEDI発注になっても、社内ではそのときに身につけた読み方で話すようになった。最短距離で伝わる言葉を使うことが職場では大事なのだと学んだのだ。
 D→デー
 N→エヌ、名古屋のエヌ
 P→ピー、パーキングのピー
 Q→キュー、アルファベットのキュー、オバQ
 T→テー
 W→ダブル
と、このように言うようになったのだった。
 そんな、まともに働き始めた頃のちょっと恥ずかしくて懐かしいことを思い出した。あ、代替をだいがえと読むのは業界用語というよりイメージしやすいからだと思う。「だいがえひん」って聞いたら、「あ、代わりに替えた品だな」とすぐ想起できるから。最短距離で伝えようと思ったら、そうした誤った言葉が定着していくものなのかもしれない。

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