さらさら録

日々のさらさらの記録

バッグを買い換えた

 長年使ってきたバッグが綻んできた。合成皮革の宿命であちこち剥がれてはいたんだけど、遂に持ち手がぼろぼろとなってきたのだ。なので今度は合皮じゃないかばんにしよう、なぜかやたらと荷物が多いので大きめで丈夫で軽くてショルダーとトートの2wayで通勤だけでなくカメラも入れられるようなやつにしようと思いいろんなところでバッグを見ていた。けど、どこか気に入らなかったり予算をオーバーしていたりでしっくりと来ない。そして、ふと思い立って今のバッグのショップに寄った。
 このショップは昔、別のところにあった頃から気に入ってバッグを買っていて、かわいくて丈夫で手頃で使いやすくて店員さんの対応も気持ち良くて名古屋には店舗も他になくてかぶることもなくてとても気に入っていたのだ。昔あった場所にはもうそのショップはなく、ブランド名とコンセプトが変わって少し足が遠のいてしまっていた。その間も、前身のブランド時代に気に入って買ったバッグたちは愛用していたし、リュックなんて2度洗濯してもまだまだ頑丈だ。コンセプトは変わってしまったけど、気に入るものがあるかもしれない。そう思って行ったのだ。
 お店に入ると、店員さんはわたしのバッグを見た瞬間に前身のブランドのものだと気づいてくれた。「昔のものなのにずっと使ってくださってうれしいです!」と感激してくれた。その喜びっぷりがすごくて、店員さんの目が少し潤んで見えた。「とてもきれいに使ってくださってありがとうございます」と言われて、いえいえ長年酷使してきて遂に持ち手が剥がれてきちゃいまして……と言いながらお店を見て回った。欲しいと思ってたストライクなバッグがあった。他のバッグもシンプルだけどかわいくて、前身ブランドを思い出すようなものが増えていた。気持ちよく対応してくれる店員さんと話しながら、やっぱりこのショップが好きだなぁとしみじみ思った。
 その気に入ったバッグのお会計のとき、店員さんは言った。「最近、転勤で名古屋に来たばかりなんです」と。彼女がなんであんなに喜んでたのかがわかった気がした。初めての土地で、ブランドをリニューアルする前からのお客さんが来てくれたら。わたしだったら泣き出してしまうかもしれない。「名古屋のおすすめの場所とかご飯屋さんがあったら教えてくださいね、私○○と言いますので(名札を見せながら)また遊びに来てくださいね」と言われて、最近ふさぎ込んでいたわたしの気持ちが少しあったかくなった。
 ひとつのブランドやショップをずっと使い続けるって、実は店員さんにとっても客にとってもしあわせなことかもしれない。離れたこともあったけど、このショップを好きでいて本当によかった。心からそう思った。
 明日からは、新しいバッグで出掛ける。丁寧にファスナーの開閉や金具の動きやほつれを確認してから包んでくれた、店員さんのあったかさがポケットにひとつ詰まったバッグで。環境が変わってもきっと、あの店員さんは同じように仕事をするだろう。だからわたしも、環境が変わったことにめげずに、目の前の仕事をしていこう。
 
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