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さらさら録

日々のさらさらの記録

短歌の目 第6回:8月 感想集【2】

そうだ小分けにしよう、と考えた感想集です。素人感想ではありますが、感想へのコメント等もお気軽にお寄せくださいませ。

短歌の目第6回8月のお題と投稿、怪談短歌です - はてな題詠「短歌の目」

第1弾はこちら。
短歌の目 第6回:8月 感想集<1> - さらさら録
感想まとめはこちら。
短歌の目8月みなさまのご感想です - はてな題詠「短歌の目」



* ☆ * ☆ *


13.【短歌の目 第6回8月】に参加 - ゆれるスカート

7.くちづけ

熱帯夜 渇いたこころにくちづけを

メビウスなんとか8mmの味

ごめんなさい、超個人的な理由で選びました。その、好きだったひとが愛飲していた煙草がメビウス8mgだったもので。ということで、固有名詞って特定の何かを思い起こさせる力があるので、うまく使うと歌が締まるんですよね。その固有名詞の選び方が難しいんですが。

14.はてなの題詠「短歌の目」8月 - 妄想七号線

2.くきやか
遠慮せずくきやかに咲け百日紅 歌う男の力となるなら

百日紅と言っているのに頭に浮かんだのはTHE BACK HORNの『ラフレシア』でした。しかし稲沢さんのブログを見たらバクホンを思い浮かべたのは間違いではなかったようでほっとしてます。下の句の力強さが好きです。
8月反省会 - 妄想七号線

15.「短歌の目」8月 投稿します - 乳飲子を小脇に抱えて

5.まつり
お湯沸いた!赤子が泣いた!ネコ起きた!魚が焦げた!まつりだまつりだ!

うりうり系短歌*1来たー!と喜んでおります。とにかく口に出して楽しくて、情景が浮かんで楽しくて。本人はそれどころじゃなくて必死なんですが、もうやけくそで楽しんでしまえ感が出ててニヤニヤしてしまいました。

16.第6回短歌の目 8月 - このこつちのこ、虚構の子

10.【怪談短歌】

皿数う声はいつしか時告げるアラームのよう 成仏やせん

いちまーい、にまーい…でお馴染み皿屋敷のオマージュ。読んだとき思わず「じゅう!」と答えてしまいました。怪談というものも、毎年毎年夏になると引っぱり出されるアラームのようなものなのかも、と思ったのでした。成仏してください。

17.第6回 「短歌の目」 八月 - 六月に雨が

4.冥

一面を染め焼け落ちた 何もない 冥い空見上げ 学童は啼き

ああ、8月だ…と思わせる歌の中でもぐっときました。二句にもかかるし、四句にもかかるし、独立しているとも読める「何もない」の強さに。感情的すぎずドライすぎないバランス感が秀逸だと思いました。

18.短歌の目第6回8月は、「ジャワ」で苦戦しました。 - ちょっとナオ帳

2.くきやか

潔く 生きていくから 夏に吠ゆ ブルームーンの くきやかなる夜

「潔く生きていくから」に心を持っていかれました。凛々しくまばゆくて、ブルームーンの夜にとても似合う。時節をうまく捉えてますよね。

19.「短歌の目」第6回 8月 / 愚かに青く愛してた - みかづきいろ(仮)

1.ジャワ

 テーブルのリネンに島を描きたるジャワティーの染み南の絵地図

汗をかいたグラス、生成りのテーブルクロス、茶色い染み。夏のけだるい午後を切り取ったみたいです。たぶん、染みはジャワティーのふるさとの国の島のうちどれかに似ている気がします。

20.はてな題詠「短歌の目」8月に参加します -

3.蝉

飛ぶ蝉をよけてぶつかる二の腕のやわはだまぶし目落とし会釈

いつもは制服に隠れている二の腕をあらわにしたクラスメイトとぶつかって、思わずどきっとしたことを悟られないようどぎまぎしてるようで微笑ましいです。会釈をした男の子は、二の腕の柔らかさは乳房の柔らかさなんてことを思い出していたのかもしれません。

21.8月も短歌、絞り出します。 - まわりみち(仮)

1. ジャワ

ヒトにまで進化できず消えてった
ジャワ原人その名を刻む

入院しながらとのことでしたが、お加減いかがでしょうか。以前、全身麻酔で手術を受けた際に呼吸器をつけて寝たのですが、無意識のうちに投げ飛ばしていました。なかなか慣れないものでした。
ジャワ原人って消えていった存在なんですけど、確かに存在したものでもあって。進化しきったヒトからジャワ原人を振り返ったときにこんなに寂しいものなのか、と思いました。

22.たんたん短歌 短歌の目/8月 - 片鱗カフェ

10.【怪談短歌】

梳き髪のごそりと落ちてやせ細るホテイアオイと盆を迎えぬ

実は小さいころ、ホテイアオイが怖かったんです。あのぷっくりと膨らんだ浮袋がなんだか人工的で、そこに生きているような根が生えていて。そのホテイアオイの根がどろりと落ちたら…と思うと個人的にはかなりぞくっとしました。

23.はてな題詠「短歌の目」 8月 - 緋綸子の雑記帳

5.まつり

おまつりにはずむ心で金魚掬うように私を掬ってみてよ

挑発的な女の子っていいですよね。はずむ心の無邪気な感じから一転、勝ち気に挑発してみせる。一緒にお祭りにいった相手のほうが金魚すくいに夢中になっちゃって、ちょっとここにも金魚いるんですけど、って。

24.短歌を詠んでみる ーはてな 題詠「短歌の目」8月ー - 歌うおかあさん

8.風鈴

チリリリリ鳴り止まぬのは風鈴か行ってしまった仔猫の鈴か

これは3.の「お散歩にちょっと出掛けるその体で冥土に消えた君に献杯」とリンクしてるのかな?と思いました。仔猫がまだそばにいるように思ってしまう切なさが滲み出ています。と、ここまで書いて「もしかしてこの仔猫はもらわれていったのかな」とも思ったのでした。

25.短歌にちょうせん(8月号) - 意味をあたえる

6.日焼け

日焼けした 横顔見せてと 三面鏡
見知らぬ私 カレシもできたよ

高校生の夏の恋って感じですね。「カレシもできたよ」っていうところ、高校が別々になった友達に向けてるみたい。三面鏡の使い方を覚えたとき、ひとつ大人になったような気がしました。「あ、こんな顔なんだ」って。

26.発見と実験(短歌の目第6回) - たまには文章を書かせてください

10.【怪談短歌】

「幸せになれる麻酔の被験者になっていただき感謝申しあ

笑気麻酔というラリラリになる麻酔ってあるんですが、これどう考えてもそれじゃないですよね。麻酔ってメカニズムがよくわかってないとも言いますしね。治験する側の文章が途中で途切れてるのが怖いです。絶対これやばいやつ。

27.はてな題詠「短歌の目」第6回8月 - w a k u r a b a

6.日焼け

ひと夏の恋で傷ついたりしない 日焼けの痕の痛みほどしか

ひと夏の恋には日焼けが似合います。残ったのは、強がりと痛みと日焼けの痕。強がる上の句から一転、下の句で「めっちゃ痛いじゃん!」と思わず思ってしまう構成がいいです。

28.はてな題詠「短歌の目」、八月も参加します!~許されるとは、決して思うな - きまやのきまま屋

3.蝉 うるさくて蝉声の中 立ち尽くす 違う種類の大衆の孤独

人がたくさんいればいるほど、孤独感が深まることってあるなと思いました。これだけ人がいても誰とも分かり合えない。耳を塞ぐほどの蝉声の中でぽつんと感じる孤独の心許なさに襲われました。

29.日焼けした顔じゃないからわからない ~短歌の目・8月の巻~ - 泡沫サティスファクション

5.まつり
 真夜中のセンター街で鳴り響くまつり囃子を聞いてはならぬ

真っ先に「センター街怖っ」と思いました。センター街ってこと自体、田舎者にとっては危ない薬とか売りつけられそうでとても怖い。まつり囃子って何なの、怪しい薬やってラリってる人たちの集団なの!?と。センター街への偏見が含まれておりまして大変申し訳ありません。

30.はてな題詠「短歌の目」8月のお題 - ライティング・ハイ

2.くきやか
くきやかにならなくていいことばかりくきやかになる。
だからもうねる。

全部ひらがなで書かれているところと、「だからもうねる。」とぶん投げちゃったところが印象的でした。寝るのは一番の現実逃避です。見えなくていいことばかり見えるようになってしまう。

31.夏は水色(「短歌の目」第6回) - Qの箱庭

10.【怪談短歌】

愛飢え男 かきくけこ刺し すせそた血 つてと何?ぬね のはひふへへへ

うまいことやったなふへへへ、と読んでにやりとしました。しかもちゃんとホラーとして成立している。想像したら怖いです、ふへへへって立ってるなんて。言葉遊びに目が行くんですがよく読むと怖い。好きです。

32.はてな題詠「短歌の目」 8月のお題 - 有限な時間の果てに

1. ジャワ
夢を見た カレー食べてる ジャワ島で 陽炎ゆらぐ これは誠か

ハウス食品の罪なところは、ジャワ=カレーという認識を強く植え付けてしまったところにあるのではないのかと今回の短歌の目で思いました。ジャワ島で出てくるカレーって、果たしてあの味からどれくらいの位置にあるんでしょう。


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総評

今回も素人感想ではありますが、一通り読み楽しみ好き勝手に感想を書き連ねてしまいました。
複数回参加の方を見ていると、回を負うごとにどんどん上達されている方がいる反面、そうした伸びをあまり感じない方も中にはいらっしゃるんですね。何でなのかと考えてみたんですけど、想像力を掻き立てる余白が少ないのかな、というのがひとつの結論です。
そのまま切り取ったものを三十一文字に当てはめただけだと、「ほーん、で?」で終わってしまう。そうではなくて、想像力につなげる引っかかりだったり物足りなさをいかに作るのか、って大事なことなんです。短歌って短詩型に分類されるように、三十一文字の形をとった詩なんですよね。その「詩」成分が足りないな、スタイルが固まってしまってるなと思うことがたびたびあります。構成や修辞といった部分ではなく、もっとプリミティブなところで。
短歌の目には、毎回300首前後の歌が集まります。詠みっぱなしじゃなくて、他の方の歌も読んでほしい。そして、自作解説ばかりではなく、できたら選り抜きでもいいから感想を書いてみてほしい。そうひっそりと願うのです。読むことで詠める歌もあるので。他の方の自作解説も読んでみてほしいと思いますが(せっかく取りまとめてくださってますし)。わたしもなるべく読んで感想を書いて、学んでいきたいと考えています。

ちょっときつめのことを書いてしまいましたが、0回を抜いて半年目ということで気になることを書いてみました。
最近、感想に対するコメントをいただくようになって、とてもうれしかったです。なので、感想に対する感想や意見なんかも、気軽にコメント欄に書いていただけるとうれしいところです。
詠みっぱなしじゃなくて、そうしたフィードバックがあると、手応えを感じてモチベーションにつなげられると思うのです。

短歌といえば。
先日読んだ短歌アンソロジーの感想を置いておきますので、よろしければぜひ。
たとへば君 四十年の恋歌 - 河野裕子、永田和宏 - さらさら録


では、またお会いしましょう。
自作解説が2月分残っていますしね。

*1:瓜売りが瓜売りに来てノリノリで瓜投げ瓜食べ瓜叩き割る のようなリズムで突っ走る系

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